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2005年04月23日

去りゆく者達へ

弔いの夕べ
 
2 0 0 5 年 4 月 2 1 日


この日を境に世界は変わった。
一人の男がこの世を去り、
僕の大切な人が一人減った。


あまりに早すぎる終焉。
彼は21年間のその短い命を終えた。
僕の世界を構成するピースがまた一つ欠けたのだ。




彼を最初に知ったのは
もうずいぶんと前の話になる。

7年前、高校3年の春だった。


高校3年になった僕は自らに将来を決める時間を与える為
大学生を目指し、予備校に通い始めていた。


そこで知り合った一人の男が僕と彼とを結びつける。
その男と僕はすぐに意気投合し仲良くなり
ある時、男の家族について聞いたことがあった。

そこで聞いたのが最初の出来事。



予備校を出てからも僕らはことあるごとに話をし
酒を飲み、語り合い、お互いを深く知る様になるが
その中にはいつも「彼」がいた。



「彼」には以前から興味を持っていたが
様々な事情にもより、また僕らの関係が
日常的に顔を合わせる関係でなかったこともあり
ついには顔を合わせぬまま7年の月日が流れた。

しかし去年の暮れ頃から少しづつ流れは変わり始める。
そしてついに今年に入って僕らは顔を合わせる機会を得た。



初めてあった7年前からの知り合い。

「彼」が兄に似た好青年であったこともあり
僕らは会ってすぐにうち解け仲良くなった。






これからだった。


これからもっと僕らの世界は広がり
大きな可能性がそこには広がっていたはずだった。



 突 然 の 死 。


彼は神に呼ばれたかの様に
不意にその命を閉じ、天に召された。




僕は葬儀の一部始終に立ち会い

賛美歌を歌い、

彼の思い出を語り、

そして変わり果てた彼の頬を撫で、

その骨を拾い、


こう思った。



「 死 者 に 何 か を 与 え る こ と は で き な い が

  死 者 の 生 に 意 味 を 与 え る こ と は で き る 」


僕らと世界を別った彼にこれから何かをすることは出来ないが、
彼が残していった物に意味を与えることなら出来る。



彼を忘れず、



彼と出会えたことを、



彼と話したことを、



彼と感じたことを、



己の血とし、肉とし、僕らが生きていく。



「彼がいてくれて良かった」

「彼がいたから今の僕があった」


もし本当に供養に意味があるのなら
それが一番の供養ではないか。




「彼のことは忘れないし、忘れさせまい」

そう誓い、祈って、僕は葬場を去った。




最後に僕らが出会ったことに意味はあったのだろうか。


いや、あったのだ。
そこには確かに意味があった。


こうして彼を皆で送ることで
彼の想いや悩みの一部を僕らは背負い
ここから先を生きていくのだから。


旅立ちを送るいくつもの想いを乗せた煙が立ち上る空は
いつになく晴れやかで、青かった。

まるで彼が旅立つことを悲しむでもなく喜ぶかの様に。




果たせなかった約束がいくつもある。

いつかもう一度彼と語り合えるときが来るのだろうか。




皆と別れ、家路につき、一人になって考える。
「僕の中の彼」を生かしていくために

彼との別れの中で出会った様々な人がいた
これもまた彼が残してくれた物なのだろう。


最後に彼と別れたとき
約束をした握った手の温もりが
今、ひどく現実的な質感を持って
今日触れた頬とオーバーラップしている。




日が暮れていく。
旅立ちの日の空は暮れてゆくその最後の瞬間まできれいだった。

姿を消した光に向かって祈る。




 「 あ り が と う 、 安 ら か に ・・・ 。 」
posted by まさっくん at 23:09| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 人々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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